乳がん凍結療法について

乳がん凍結療法(非切除凍結療法)

早期の小さい乳がんに対して切除をせずに針を刺してがん細胞を凍結させて死滅させる方法です。1cm以下の悪性度の低い乳がんが対象になります。

乳房の切除をしないため、整容性(美容性、見た目)が保たれます。

金属製の針を刺し、その針の先端の温度をマイナス170度に保つ機器を使用し癌細胞を凍結させます。
超音波画像(エコー画像)で確認しつつ針を刺して病変が確実に凍っていくのを確認しながら行います。

凍結することによって痛みを感じにくくする鎮痛作用があり疼痛が少なく、治療も局所麻酔を用いて行う為、日帰りで治療を受けられるらしく、その上整容性(美容性、見た目)が保たれるという全摘必須の私からすればまるで夢のような、そしてとても興味深い治療方法だと思います。

ご高齢で体力に心配があっても受けられる低侵襲治療(体に対する負担をできるだけ減らした治療)になります。
いろいろな乳がん治療方法を調べた私にとっては、この治療方法が最強に乳房の見た目が保たれる唯一の方法だと思います。

ただし、健康保険適応外の治療のため自費診療になり、日帰りで治療を受ける場合の費用は約35万円〜45万円かかるそうです。また限られた病院でのみ治療を受けられるようです。

以下の適応条件に当てはまる方がこの治療を受けられるようです。

  1. 保険適応外治療(自費診療)に同意できる方
  2. がん組織の直径が1.5cm以下(良性の腫瘍にも適応)
  3. リンパ節転移がない方(センチネルリンパ節が陰性)
  4. ルミナルA型にあてはまるおとなしいタイプの乳がんの方
  5. 凍結療法後の放射線治療に通える方
  6. 医師が安全にできると判断した場合

 

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メリットは

  • 金属製の針が約3.7mmなので傷がほとんど残らない
  • 痛みが少ない
  • 日帰りで手術が可能

デメリットは

  • 保険適応外で自費診療であること
  • 非浸潤性がんの場合(日帰り手術のみ)約35万円〜45万円
  • 浸潤がんでリンパ節生検が必要な場合(2泊3日)約60万円~70万円*差額ベッド代別

いろいろ調べてみましたが、この乳がん凍結療法を実施しているのもこちらの病院なんです。

亀田総合病院

亀田総合病院
〒296-8602
千葉県鴨川市東町929番地
TEL:04-7092-2211

乳腺内視鏡手術(胸腔鏡手術)も先駆けて行っている病院です。

www.hisamim.com


凍結療法治療は亀田総合病院(千葉県鴨川市)にて行いますが、外来での受診はこちらからになるようです。

亀田京橋クリニック
〒104-0031
東京都中央区京橋3丁目1番1号 東京スクエアガーデン4階、6階
TEL:03-3527-9100(代表)

亀田幕張クリニック
〒261-8501
千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目3番地 CD棟2F
TEL:043-296-2711(代表)

亀田クリニック
〒296-0041
千葉県鴨川市東町1344番地
TEL:04-70992-2211(代表)
*外来診療は同敷地内のこちらで行っているようです。待ち時間を少なくするために予約診療を行っているため、初めて受診される方も受診の予約が必要なようです
受診予約TEL:04-7099-1111 受付8:00~17:00(日曜・祝日除く)

 

聖マリアンナ医科大学付属研究所

こちらの病院は今まで知らなかったのですが、今現在乳がん凍結療法を検索するとすぐにこちらの病院が出てきます。 乳がん治療にとても力を入れているんだと思います。

聖マリアンナ医科大学付属研究所 ブレスト&イメージング先端医療センター付属クリニック
〒215-0004
神奈川県川崎市麻生区万福寺6-7-2
TEL:044-969-7733(予約専用)

 

私が全摘手術を受けた2018年には将来的には乳がん凍結療法が健康保険適用になるのかもしれない!! それも近い将来だといいのになと思っていましたが、今現在もまだ自費診療なのですね。
早く健康保険適応になってこの治療方法が受けられる可能性のある方にはこの「乳がん凍結療法」を受けて1人でも多くの乳がん罹患者が乳房を保てるようにしてほしいなと心から願います。

全摘しか選択肢がなくて、バッサリ全摘術を受けたからこそ思いますが、女性として乳房を残せて乳がん治療ができたら本当に幸せなことだと思います。
もちろんがんは本当に怖い病気ですから整容性(美容的な見た目)ばかりにとらわれてはいけないし、それぞれ自分に合った適切な治療が必要です。
がんという病気は十人十色ですし、もちろん乳がんになった方全員がこの治療を受けられるわけではないです。むしろほんの一握りの方々が適応対象になるのだと思いますが、このような治療はできるだけ早く健康保険適応にしていただければ乳房全摘の喪失感や悲しみを味わう人が1人でも少なくなるのではないかと思います。