1月15日に乳がんで全摘手術が必要だと宣告されたのですがこの時は違う先生から説明を受けました。
1月29日にこれからの治療の主治医になる先生の診察予約を入れてもらったのですが、この時も旦那さまは何も言わずに一緒に話を聞きに行ってくれました。
主治医先生からの詳しい説明
主治医になる先生は最初に診ていただいた美人S先生です。
パソコン上のカルテを印刷してくれて、詳しく説明をしていただきました。
一番上から
というエコーの結果を説明してもらい、主治医先生からもう一度改めて
「石灰化はカテゴリー4で悪性の疑いがあります」
「しこりは悪性で粘液がんの疑いがあるため、全摘手術が必要です。」
と伝えられました。
ここで、ダメもとで
「【乳頭温存乳房切除術】や【乳輪乳房温存乳房切除術】等の手術で乳輪や乳頭を残すことはできないのですか?」
と聞くと、先生はプリントアウトしてくれたカルテの紙にボールペンでモヤモヤと書き込みながら、
「乳管、乳腺はこの様に乳房全体にあるものなんです。」
「わかりやすく言うと母乳の通り道ですね。」
「なので乳輪も乳頭も間違いなく乳腺に属しています。」
「特に乳頭から母乳が出ることでわかるように乳管があるため、たとえステージ0期の非浸潤性乳管ガン(DCIS)であっても乳頭を残すことはありません。」
「あっ、それから乳頭だけ残してもほとんどの確率で壊死するので、乳頭を残す手術にはあまり意味がありませんよ。」
とあっさりそしてすっぱり却下されました。
それから、
「それより今色々術前検査をしてもらってますが、腋窩リンパ節(脇の下のリンパ節)がちょっと腫れています。」
「予約をとりますので、追加で脇のリンパ節の吸引式細胞診(針生検)を受けてください。」
「それからもしリンパ節に転移してたら同時再建はできないので一応伝えておきますね。」
はぁ? えっ? えぇ〜............?
本当ですか?
と一気にもしかすると同時再建ができないという危機に陥り、乳房の整容性(見た目)にこだわっている状況ではなくなりました。かなりテンパりながら
「え〜っと、リンパ節に転移していて同時再建できない場合はどういう流れになるんですか?」
と聞くと
「まずは乳がん治療に専念して、一定期間を置いてから再建します。」
「まぁ粘液がんですし、大きさ的にもあまりリンパ節転移は考えられませんが、とにかく細胞診をしてみましょう。」
とまた一つ落ち込む要素が増えました。
「ここまでで何か分からないこととか、聞きたいことはある?」
と最後に主治医先生に聞かれたので、
「大丈夫です。」
「あっ、手術は先生がしてくださるんですか?」
と聞くと
「私が執刀しますよ。」
と返答を頂いたので
「どうぞよろしくお願いいたします。」
と答えました。
乳がん確定後初めての主治医先生の診察でした。
私は乳がん宣告日の1月15日に手術の予約をお願いしましたが、普通は皆さんここで主治医からしっかりお話を聞いて治療方法を決めるようです。
そのため、主治医先生の横にとても穏やかなベテラン看護師さんがついていてくれてずっと診察内容を聞いてくれていました。
診察が終わった後にその看護師さんから
「何か分からないこと、心配なことはありませんか?」
と声をかけられたので
「はい。今のところは大丈夫だと思います」
と伝えると
「ずっと横で聞いていましたが、ご自分の病状もよく理解されているし、本当にとても頑張って良く調べて勉強されてますね。」
ととても優しく言われました。
返答しようとするといきなり旦那さまが横から
「そうなんです。この人本当に良く調べて勉強しているんです。すごいんですよ。」
となんともお恥ずかしい返事を私より先に答え始めたので
えっ???
恥ずかしいんですけど......
いや、他人様の前で身内を褒めるのなしだからー!!
と本当にでカァーっと顔が熱くなり、赤くなりながら診察室を後にしました。
全摘手術確定後に旦那さまとランチへ
ゆっくりお話が聞けるようにと午前中の最後の枠で診察予約をとってくれていたので、診察が終わるとお昼も過ぎていました。
「こんな時間だし、何か食べに行こうか?」
という話になり、旦那さまがお肉を食べようと言い出してホテルオークラ東京内の鉄板焼き さざんかに行きました。
もしかしたら同時再建ができないかもしれないもやもや感から宣告された日と同じように少々やけくそ気味で
え〜い飲んでしまえ!!
とお昼からビールも頂き、お料理を待っている間、
「よく考えるとお前も俺と同じ歳でがんになったんやな。」
と言うので、
「そうだったっけ?
あっそういえばそうかー。」
なんて話をしながら診察室を出る時に主治医先生が説明に使った紙を鞄から取り出して見てみると、
左乳癌 同時多発と病名が書いてあり、
「なんかテロみたいなすごい病名じゃない?」
と言いながら旦那さまと2人で笑いました。
旦那さまは
「美味しいもの食べとかないと入院したら3週間病院食やでー」
と茶化すように言いましたが、きっと美味しいものを食べさせてくれて私の気が紛れるようにしてくれたんだと思います。
とうとう全摘手術が私の今後の予定に完全に組み込まれ、目の前にある現実的なものになってきました。